神戸・元町丸太や

創業は明治33年で1世紀以上に渡り、呉服を専門に取り扱う老舗です。日本古来からの『和』の技術と『思いやり』の素晴らしさを商品や接客を通じて伝えてくれます。着物・呉服に対して敷居が高いと思っている方には逆に必見のお店です。上質の藍染めで造られたTシャツやハンカチは日用使いにも使いやすく使うことで古来からの『和』の技術の素晴らしさを体験できます。一品一品職人の手作業で創られる商品は大切な方への贈り物なので日本全国から取り寄せがあるほど。百聞は一見にしかず。神戸・元町へお越しの際は是非お立ち寄り頂き、老舗のアイデンティティを感じてください。

手技の極み☆

「これは、なんでしょうか?」




これです。






息子が「何?」というので、「引っ張ってごらん。」というと、
「お~!ゴムみたいに伸びるわ。えー、これで反物の幅だ!」




幅20㎝足らずの小布。総絞りの着尺の色見本、染あがりの、括ってあった糸をほどいた状態の布なのです。上に写っているのが、反物幅にのしをしたもの(の一部)。
数えてみると、着物の反物幅約38㎝の一列に絞りの粒が46粒並んでいます。3㎝ほどの長さにほぼ6列。着物一反を絞ろうとするとこの粒々を、いくつ括らなければならないのでしょうか。

着尺の長さは13mほどとして、え~っと・・・1300÷3x46x6=119,508 ざっと12万粒!!face08

プレス機械のようなものでガシャン、なんてやるのではありません。

一粒、一粒、手で、糸で、括っていくのです。
これは四ツ巻というものなので、一粒に木綿糸を4回巻いて絞ります。
まさに、手技の極み!!


今回、弊店で開催中の「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」には、京絞り寺田さんの素敵な羽尺もございます。




         

この、柔らかな濃淡でありながら、立体的な、表情のある染めは、絞りならではのものですね。
軽くて温かい、「はおる、まとう」という衣装にぴったりの素材だなぁと、私は思っています!!

「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」 15日(日)まで開催です!!
丸太やのホームページもご覧くださいね!

宝尽くし

今日は、初ゑべす。実は、愛するわが社長の誕生日でもあります!!商売人としては、やっぱりお参りをせずにはおられません。毎年恒例で、ここ数年は柳原のえべっさんにお参りしています。店の帰りに福をもらってきました。



家内安全、商売繁盛、どうぞ今年は穏やかな年でありますように・・・
えべっさんに商売繁盛以外のお願い事って、本来は違うのかもしれないけれど、社長の守り神さんみたいな親近感で、ついつい、あれもこれも、人にもまれながらお祈りしてきました。face03

遠い昔から、人々は、衣装にも願いを込めて身にまといますね。
吉祥文様と言いますが、宝尽くしもその一つ。
中国の「八宝」思想の影響を受けて始まったといわれるものですが、日本では、打出の小槌・丁子・隠れ笠・隠れ蓑・宝鍵(ほうやく)・巻物・宝珠・金嚢(きんのう)・七宝(しっぽう)・分銅が八つの宝とされています。
組み合わせは地域や年代によっても違っていますし、必ずしも8つ揃っていないものもあります。

我が家にあった「宝尽くし」の訪問着。





大黒天も持っている願いがかなう「打出の小槌」、香料や薬の代表「丁子」、災難から身を守る「隠れ笠」や「隠れ蓑」。
お経の「巻物」、あらゆる願いが叶う霊験あらたかな「宝珠」。蔵の鍵の「宝やく」に財布の「金嚢(きんのう)」、金を量る分銅、円=縁が四方八方に繋がっていくようにと「七宝」の柄。
今では、それ何?と思うものや、宝・・・?と思うものもありますが、健康で、災い無く、豊かに暮らせるようにとの願いは今も変わらない気がしますね。

5日連続で、着物姿のお客様ご来店!
今月の丸太やのホームページのTOPを飾ってくださっているご夫妻が、着物でご来店くださいました。



いつも、いつも、お二人揃って着物で元町へお越しくださるのです。

ご主人は、「男物というと『紺』というのが嫌でね。」と、すこし渋めのシルバーグレイの紬のアンサンブル。奥様は、「これ、主人が初めは着ていたのだけど、洗い張りするときに、私用に仕立て直しちゃったの。face03」と、クリーム系のギンガムチェックのお召しに、ご主人からのお誕生日プレゼントの帯「奏でる猫(桝藏順彦さん作)」、そして、ねじり梅の柄の羽織が今の季節にぴったりです。
お二人とも、しっかりと自己表現されながら、とっても自然な感じで嫌味なく、すばらしく、かっこいい!!face05


今日は成人式で、私も、朝からお二人、振袖の着付けをさせていただきました。穏やかなお天気で良かったですね。
成人仲間として、新成人のみなさんの、今後のご活躍を祈りながら、
お互いに、「かっこいい大人」、「子ども達に夢を語れる大人」を目指そうよhand02、とエールを送るのでした!!face02


丸太や店内は、「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」 15日(日)まで開催です!!




やっぱり、日本のお正月ですね~。
着物が映えます!似合います!

今日は、午前中木戸源生さんと原田今日子さん師弟が、新年のごあいさつにお越しくださいました。ありがたいことです。m(_ _)m

原田さんは、ご自身の処女作の訪問着をお召しでした。




雪の結晶のモチーフ。帯もご自身で地色を染められたとのことで、さすがに、着物とぴったり!!


午後からは、お客様!
お二人がお友達というわけではないのですが、丸太やでは、お客様同士がすぐに仲良くなってしまいます。face02
なので、ツーショットで!!



右側の方は、関健二郎さんの残糸の大島紬に、横山喜八郎さんのピアノの柄の染め帯。
左側の方は、小山憲市さんのすくい入り紬に、森康次さんのスズメちゃんの刺繡の袋帯。

お二人とも、帯〆・帯揚の合わせ方がとっても素敵で、うまい!!

ビビッドな色を上手にアクセントに使っておられたり、季節の花、梅一枝が覗いていたり、お洒落ですね~。face05


こうなると、明日も着物姿を期待してしまいますな・・・・・


丸太や店内では、「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」を、開催中。
15日(日)までです!!



今日も!今日も!!

 今日のブログは小正月の七草粥の話でも書こうかしら・・・と思っておりましたが、


今日も、今日も!!お客様が、
昨年の秋にお作り頂いたコートをお召しになってご来店くださいました。face05
最初が私、昨日が息子、なので、今日は社長~!

はいっ!笑顔でお願いします!!





コート of the コートs!
漆箔の糸が織り込まれた、コートのための生地、と言っても良いような素材で、おまけに無地ぼかしですが、
なんともお洒落な色でしょ~!

着物との色合いもとても素敵です。face05

このコートの肩裏には若草色と、クリームと、藤色の三色ぼかし染めのものを合わせて、お仕立てしたのですが、

「仕立てあがって、畳んだままの状態で見えていたのは藤色だけだったので、『あぁ、シックな色の裏を合わせたんだ』と思っていたのですが、
今日、羽織るとて広げたら、ぱ~っとすごくきれいな色が現れて!なんか、とっても嬉しかったんです!」と、仰っていただきました。

こういう時が、呉服屋としてとっても幸せなときなのですわぁ・・・。



そして、もうお一人ご来店下さったお客様は、一昨日このブログで紹介した「千社札」の羽裏がたいそうお気に入られて、
「この肩裏の生きるコート地を探す!」と、裏から先にお求めいただきました!!face08
この羽裏を染めている方に報告せねば!!




で・・・・・・・・・も・・・・・・


やっぱり、せっかく写真を撮っていたので・・・・・・・・




      
 せり  なずな
ごぎょう(ははこ草) はこべら ほとけのざ(タビラコ)
       すずな(かぶ)  すずしろ(大根) 
 春の七草


もう、すでに七草粥になって、我が家の人々のおなかに収まってしまいました!!face03


「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」 15日(日)まで開催です!!
丸太やのホームページもご覧くださいね!



今日も!

昨日に続いて本日も素敵なコート姿でお客様のご来店!
「今日はどこかへお出かけですか?」とおたずねすると、
「いえいえ、丸太やさんに新年のごあいさつに!」

なんとぉ~ icon14icon06
感動です。

記念に息子とツーショット!





この方、とても寒がり屋さんなのに、以前「私、コートとか羽織とか好きじゃないんです。」と仰る。
「だって、せっかくの着物や帯が見えなくなるんですもの・・・」


コート地は、いつのころからか、どんな着物の上にも着ておかしくない、オールマイティな、要するに無難な無地っぽいのものばかりに偏っていました。色も似たり寄ったり。
確かに、着物や帯はいろいろ取り合わせて、楽しんでいるのに、コートを羽織ると道中つまらない。

で、ご提案したのが、『見せたくなるコート』!
高橋孝之さんの染めたマーブル染の着尺をコートに仕立てました。

「肩裏も奥さんが、素敵なのを合わせてくださったんですよ。」と、息子に見せてくださっていましたが、
選んだ当の本人は、そのことは忘れておりました!

「このコートを作ってから、コートを着て出かけるのも楽しくなったし、伺った先で、それを脱いで預ける時も、ちょっとにんまり、嬉しいんです。」

ありがたいお言葉!!face05


「新春初絹 襦袢の会&絞りの羽織と羽裏の会」 15日(日)まで開催です!!
丸太やのホームページもご覧くださいね!

今日は冷蔵庫に閉じ込められたみたいな寒さ icon04 羽織の袖の中に手をひっこめて、縮こまって店番でした・・・・・・


そんな中、お友達でもありお客様でもあるお一人が、着物姿でご来店下さいました。icon06




「あんまり寒いから、コートを初めて着てみたの。」とのことで、「だけど、これ、袖丈とかあってるのかな?
 当てみたら、コートのほうが短いんだけど・・・」

そうなんです。

袖丈は、着物の寸法よりコートで3分(約1㎝)、羽織で5分(2㎝)ほど短く仕立てます。上に着るものなのに、と思うのですが、逆だと振りが飛び出して納まりません。でも中に着る襦袢はやはり着物より2分(8㎜ぐらい)控えます。
こういう微妙な袖丈の増減は、長い年月のうちに、「当然」の決まりごとのようになってきたのですね~。


今回の催しでは、羽裏(肩裏)にもスポットを当てて見ました。

千社札をデザインしたもの。この度の羽裏の中では一番凝った染めです!!




一般的に良く合わせるのは、このくらいのさらっとした感じのものです。






羽裏は、襦袢以上に見えないところのお洒落です。でも、だからこそ、着る人のこだわりが見えるポイントですね。


たいがい、裏はお任せ・・・で、肩裏にこんなにいろいろ楽しい柄があることも、ご存知ない方が多いのではないでしょうか?

15日(日)までの開催です。

新春初絹

昔、呉服屋は、お正月明けの仕事はじめに、お得意様のお宅に、ごあいさつを兼ねて、「初絹」として白生地や長襦袢、胴裏などの生地をお納めする習慣がありました。 お正月の「呉服=御福」縁起物ということもあって、毎日が着物の時代、一年の内に使う胴裏などの一部を、この初荷でお求めいただいたのです。


「初絹(はつぎぬ)」ということば、そのひびきが私は好きです。
丸太やでは、ここ数年年明け最初の催しはこのタイトルです。

今年は襦袢をいろいろ取り揃えました。





着尺と見間違うような本格友禅柄、絞り染めのもの、どんな着物にも合わせられるぼかし染めのもの、さらには洗濯機で洗えるポリエステル100%のものまで、本当にいろいろです!






襦袢は、見せるものではありません。でも、女性の着物姿で、振りから見える襦袢に心憎い色柄がちらちら見えると、「おぬし、やるな!!」という感じで、お洒落の大事なポイントであることも間違いありません。
まずは、どんなものがあるのか、覗いてみてくださいな。

 一言メモ : 襦袢(じゅばん、ジバン)は、元々はポルトガル語。
       シャツや、下着を表す「ジバゥンgibão」を音写した語で、漢字は当て字です。

 おまけ : メリヤス、ビロード、更紗、ボタン、コップ、パン、カステラ、キャラメル、ビスケット、金平糖、天ぷら、
      かるた、ピンからキリまでのピンとキリなども、元々はポルトガル語が日本語になった言葉です。



さて・・・・これはなんだ?



今、店の真ん中あたりにぶら下がっている、久寿玉のようなもの・・・・・
15日に開ける予定。何が出るかは、お楽しみなんです。私も楽しみ!!後日報告します!

明日から営業します☆

元旦・二日から営業されているお店、福袋合戦、・・・など、気にしても始まらない。
丸太やは、丸太や!と、今日までしっかり充電しました!!face03

いよいよ明日から、営業再開です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

まず、最初の催しは、





                    1月 5日(木)より 15日(日)まで
                     弊店 1,2階 特設会場
 
 新年最初は内側から清々しく!ということで、お襦袢の会を開催いたします。
日本独自の「見えないところにこそこだわる」という美意識が一番表れるところ、それが襦袢です。
どんな着物にも合わせられる万能タイプから、見せたくなるような個性派、本格礼装用まで、色柄豊富に取り揃えております。
 また同時に「絞りの羽織と羽裏の会」も併催いたします。「裏勝り」とも言われるほど、羽織の裏はこだわりのポイント。ですがなかなか羽織の裏をご覧いただく機会がありませんでした。そこで今回は、まず羽裏から見ていただきたいと思います。こだわりポイントとは分かりつつも、選ぶチャンスの少なかった羽裏を、この機会にたくさんご覧ください。
 併せて羽織やコートにふさわしい絞り染の生地を、『京絞り寺田』の寺田豊さんにご協力いただいて、ご用意いたしております。
 羽織って楽し、脱いで楽しい、羽織やコートをおひとつ新調しませんか?

  そして、皆様にとって今年一年が
良い船出となりますように。






ご来店を心よりお待ちいたしております。





              

男だって絵羽織☆

一昨年の秋だったか、丸太やがお世話になっている京絞りの寺田豊さんからご案内を頂いて、ある催しに伺いました。京都生まれの繭やお召し、絞りの技、日本刺繍の作品など、とても興味深く拝見させていただいたのですが、その中に、日本刺繍の森康次さんが刺繍をした寺田さんの羽織というのがありました。
柄も黒蜥蜴で、かなりのインパクトでしたが、何より「男物の絵羽織か・・・・」とめずらしく思っていました。

ところが、一緒に見に行った息子の方は、「かっこいい!!」と思ったのか、密かに自分もと想いを温めていたようで、昨年、店で森さんの会をさせていただいた折に、お弟子さんの佐藤未知さんに「僕の絵羽織を創って」と発注したのです。face08

秋ごろから具体的にデザイン画が届いたり、生地の見本が届いたりして、12月初め、見事な絵羽織が届きました。

年末最後の仕立てで出来上がってきたのを、初春の今日、しつけをとって着たのです。hand03





額裏は若武者!





「どうよ~~、めっちゃかっこいいんちゃう!!!」





森さんからメール、
「きっと、みんながワイワイと冷やかしますから、耐えて下さい。」と!(笑)

今年、丸太やは、男の着物もどんどん提案します!!



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                素敵なご夫妻の着物姿でスタートさせていただきました。


着物は、手仕事のかたまりです。
扱いも、着ることも、少しだけ手間がかかります。

でも、少しの心遣い、掛けた時間、すこしの努力で、

日本の見え方が、
毎日の生活の時間の流れかたが、
変わるかもしれない。


今年も 誠心誠意
「あなたと着物」のお手伝い  ・・・神戸・元町 丸太や




プロフィール
神戸・元町丸太や
神戸・元町丸太や


家族全員が楽器を演奏しております。演奏会も開催しております。日本が誇る伝統技術と楽器をモチーフにした商品は皆様に非常に喜んでいただいています。一品一品が逸品である自信があります。皆様のご来店を心待ちにしております。このお店の詳細を見る