今回展示の、私のお気に入り№1!
弊店の展示部長?は、息子です。まあ、一応、先輩の私に、お伺いを立ててくれるのですが、
大概は、彼におまかせ!します。取り合わせや展示は、とても大切な仕事です。店のセンスを問われますから!
そして、とても勉強になります。自分が扱う商品一つ一つを、とても、真剣に見ます。
ただ、今回この取り合わせは、「私好み」でセットしました。


蒔糊(まきのり)の小紋に牡丹と桜の柄の袋帯です。
蒔糊というのは、古くからの染色技法のひとつです。防染糊を竹の皮などに塗って薄い板状に乾燥させ、それをはがして色々な大きさに砕いて、その一片、一片を、ぬらした布地の上に蒔き散らします。糊の破片ですから、布の水分を吸って、布にくっつきます。その上から染料をかけると、糊の部分だけが染まらず、白い点模様ができます。
良く似た柄に「たたき染め」というのがあります。蝋などの液体の防染剤を筆などでしぶきを飛ばすやり方ですが、液体のしぶきが円形になるのに対して、糊は、良く見ると角があって三角形です。

最近は、本物の蒔糊が、めっきり少なくなっていますが、13mからある着尺全体に、満遍なく糊を蒔くのはなかなか大変な技術なのです。染める方の感性というか、のりの蒔き方にも個性が出て面白いのですが・・・。
遠目には無地、近寄ると花びらが舞うように見えたり、霰になったり、雪になったり・・・
この取り合わせは、もちろん花吹雪ですね。
この帯が、また何とも良いですな~。


山口和市郎さんの袋帯です。
たれの部分まで全てを使って柄を見せています。だからでしょうか、色はここまで減らせるかというぐらい使わずに、糸の表情の違いだけで見事に花を表現されている!
こんな取り合わせでお召しになっている方を見かけたら、付いて行ってしまいそう。
着物はこの上に帯〆、帯揚げと色がプラスされていきます。どんな色でも合わせられて、桜を強調したり、牡丹の花の色を想像させたりできます。
なんだか、今日は、妙に語ってしまいました!!

だって、この取り合わせ、めちゃくちゃカッコイイと思ってしまったので! おしまい!!
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