模様のおはなし そのⅡ

白いつぶつぶ、これは『疋田絞り』といいます。生地を一粒一粒つまんでは糸で括って染める絞り染の一つの技法です。この柄も吉祥文様のひとつです。
疋田というのは、稲を刈り取った後の田んぼの様子。刈り取られた後の株が奇麗にならんでいる様。つまり豊作の図なのですね。農耕民族の日本人にとって稲の豊作は、命に通じること、一大事なのです。
そしてこれは『雪輪』


雪の異称に六花(りっか)というのがあります。雪の結晶が六方に枝の出た星型をしているのを花に見立てたと言われています。はらはらと舞う雪は花びらのようにも見えます。
このデザインいったい誰が考案したのでしょう・・・。
雪は古くから豊年の瑞兆とされてきました。平安の時代、初雪の日には群臣が朝廷に参内して、天皇から禄を賜ったということです。それほど雪は吉兆だったのですね。
それにしても、顕微鏡などまだまだ日本には無かった室町時代に、この六枚の花びらのような『雪輪』の文意匠が生まれていることに驚きを感じませんか?
こういった話に興味のある方は、「丸太や」のホームページの「きものことばハ・テ・ナ」も是非ご覧ください。
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「慶祝の装い」丸太やの店内は、こんな感じです。

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